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執筆者の写真【事務局長】岡田 光輝

感想〜食について〜

ご無沙汰している間にテーマ制になったそうで 笑

さて「食欲の秋」がテーマだそうなので、食にまつわるこんな話を。



伊勢神宮の祭神はよく知られている通り、アマテラスという日の神である。他方であまり知られていないのだが、これは伊勢神宮の内宮に祀られる神であって、外宮はトヨウケビメという別の神が祭神になっている。


江戸の中期になると、国学の分野でこんな論争があったそうだ。「畏れ多くも日の神である天照大神と並び祀られる神が、食の神であるとはどういうわけだ、もっと立派な神が他にあるのではないか」というわけである。


これに対して、本居宣長はこう反論する。

「世に宝は数あるが、最高の宝は食べ物である。だから日の神に並ぶのは食の神を措いてはない。『いかがなものか』などというのは、世の物知り人の賢しらでしかない。」と。


この論争が現代においてどうなったのか知らないが、『食前感謝詞』なぞという歌まで作ってしまった宣長という人に僕はアンティミテを感じている。


宣長の思想を貫くのは、“もののあはれ”である。普通これは、「しみじみとした情緒」や「無常観的な哀愁」と定義されるわけだが、よくよく注意して読めば、宣長はそういう意味合いではつかっていない。


「何事にまれ、感ずべき事にあたりて、感ずべき心を知りて感ずるを、もののあはれを知るとはいふ」のであり、そこには、普段我々が折に触れ感じる「感動」以上の意味合いはない。宣長が語る思想には、徹底して我々通常人の生活に根ざしたものがある。


はて、僕はといえば、世間並みに「天高く馬肥ゆる秋」と行こうではないか。


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