ニューヨークで活躍する芸術家の松山智一さんの言葉です。
以前関わった子どもたちの中に、余暇時間をずっと絵本の同じページを見て過ごす子がいました。よく飽きずに毎日毎日見ていられるなと、その様子を見ていた私たち大人の方が先に飽きてしまうほど。
「アンパンマン」や「はらぺこあおむし」、「ウォーリーを探せ」など、見ていた絵本はさまざまでしたが、こんなにも子どもたちを惹きつけるのはなぜだろう。形だろうか?色だろうか?本の感触だろうか?もっと別の何かだったのかもしれません。それが何にせよ、芸術の持つ力の凄さを身近に感じたのはこのときでした。
私もよく窓やホワイトボードに絵を描いていましたが、時間をかけて完成させた絵に対して、子どもたちからは大体何の反応も返ってきません。
それでも、季節感の薄い北海道で少しでも四季を感じてもらえたら。そう思って、季節の花やイベントの絵を描き、他にもアニメや漫画のキャラクターもたくさん描きました。気づいてくれていたか、何かを感じていてくれたかはわかりません。
芸術は松山さんが言うように、誰かに届いて初めて意味を持つものかもしれません。評価してくれる人がいなければ、仕事としても存在しないでしょう。必要のない人からすればゴミと同じ。
でも一方では、誰かの人生を支えるほどの力を持っている、と私も信じたい。
アンパンマンやウォーリーのようにはいかなかったかもしれませんが、いつか自分も誰かに届く絵を。そんなふうに思っています。
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